書籍紹介Introduction
はじめに
本書は、2013年9月に発売した「Web制作者のためのSassの教科書」の改訂3版です。
トレンドの移り変わりが激しいWeb業界において、本書で扱っているCSSプリプロセッサの「Sass(サス)」は安定した人気を保っており、もはやデファクトスタンダードといっても過言ではないほどに普及しています。
執筆当時は、Sassの人気が低迷してしまったり、開発が止まってしまうなどの心配もありましたが、こうして再び改訂版を出せる運びとなったのは非常にうれしい限りです。
初版発行から4年後に改訂2版が出て、それから実に7年も経ちました。その間も著者の二人はさまざまな案件で実際にSassを使ってきたことで、CSSを書く際にSassは必要不可欠だということをしっかりと再認識させられました。
昨今CSSの進化も凄まじく、ネストや変数などはCSSでもサポートされましたが、まだまだSassにしかできない機能も多く、SassはCSSをより便利で効率的に書くことができます。
本書では、HTML+CSSの基本的な知識は必須です。しかし、Sassに関してはまったく触れたことがない方も対象としていますので、Sassの単純な機能紹介だけではなく、Sassの概要から利用するための環境の整え方まで丁寧に解説しています。
また、改訂3版発行にあたり全体的な見直しはもちろん、LibSassからDart Sassで環境を整えられるよう、第2章に関しては全面刷新しています。当然、Sassのアップデートに合わせ、第3章、第4章も加筆・修正していますし、Sassを使った実践的な内容の第5章に関してもAIを活用する内容など現在のトレンドに沿った内容に刷新していますので、以前本書をお読み頂いた方でも満足できる一冊に仕上がっています。
一度Sassを使ってしまえばSassの魅力に取り憑かれ、今までのCSSには戻れなくなると思います。本書がきっかけでSassの使い方を覚え、もうCSSには戻れないカラダになっていただければ、著者としてそれ以上にうれしいことはありません。
2024年8月
平澤 隆 & 森田 壮
目次
- 第1章 Sassのキホン
- 1-1 まずはSassって何なのかを知ろう
- 1-2 Sassを導入する前の疑問や不安
- 1-3 何はともあれSassを触ってみよう
- 第2章 Sassの利用環境を整えよう
- 2-1 エディタでSassを使ってみよう
- 2-2 黒い画面でSassを使ってみよう
- 2-3 GUIコンパイラでSassを使ってみよう
- 第3章 これだけはマスターしたいSassの基本機能
- 3-1 Sassで扱える文字コード
- 3-2 ルールのネスト(Nested Rules)
- 3-3 親セレクタの参照&(アンパサンド)
- 3-4 プロパティのネスト(Nested Properties)
- 3-5 Sassで使えるコメント
- 3-6 変数(Variables)
- 3-7 演算
- 3-8 CSSファイルを生成しないパーシャル(Partials)
- 3-9 Sassのインポート(@use、@forward)
- 第4章 高度な機能を覚えてSassを使いこなそう
- 4-1 スタイルの継承ができるエクステンド(@extend)
- 4-2 柔軟なスタイルの定義が可能なミックスイン(@mixin)
- 4-3 ネストしているセレクタをルートに戻せる @at-root
- 4-4 使いどころに合わせて補完(インターポレーション)してくれる#{}
- 4-5 制御構文で条件分岐や繰り返し処理を行う
- 4-6 関数を使ってさまざまな処理を実行する
- 4-7 自作関数を定義する@function
- 4-8 テストやデバックで使える@debug、@warn、@error
- 4-9 変数の振る舞いをコントロールする !default と !global
- 4-10 Sassのデータタイプについて
- 第5章 現場で使える実践Sassテクニック
- 5-1 管理/運用・設計で使えるテクニック
- 5-2 レイアウト・パーツで使えるテクニック
- 5-3 スマホ・マルチデバイス、ブラウザで使えるテクニック
- 5-4 AIを活用したSassテクニック
- 5-5 PostCSSでSassをさらに便利にする
- 第6章 さまざまなフレームワークやツールでSassを使う
- 6-1 Sassが使えるフレームワーク紹介
- 6-2 SassのGUIコンパイラ
- 第7章 Sass全機能リファレンス
- 7-1 Sassの基本と高度な機能
- 7-2 Sassの関数一覧
- 7-3 Sass JavaScript API
- 付録
- コマンド一覧
- 用語集
本書の試し読み
本書の一部をPDFで読むことができる予定です。現在準備中なのでお待ち下さい。
改訂2版と改訂3版の違い
改訂2版と改訂3版の違いをまとめたページを作成しました。
改訂2版もしくは初版をお持ちの方で、改訂3版を購入するか迷っている方は違いを確認してご判断してください。